音工房Zでは、1台のスピーカーやキットを商品化するまでに、想像以上に多くの工程を重ねています。開発の流れから、プロ職人によるミリ単位の製作、さらにアフターサポートまでをご紹介します。

音工房の徹底した音作りの流れを紹介

 音工房Zの音作りの最大の特徴は 実際に音楽ソースを聞いてテスト&エラーを繰り返しその過程で大量の「試作箱」や「実験機種」を試すという最も手間のかかる古典的な方法で設計を行っています。ここでは弊社が1台のスピーカーにどの程度試作作業をへて本番のスピーカーが出来上がるかの一例を紹介します。(工程は常にこの通りではありませんで前後する場合もあります)

工程1. スピーカーユニットの選定

 スピーカーの音を作っていく上でスピーカーユニットの選択は最重要です。 音工房Zではこれまでにウーファーからツィーターまで200種類以上のスピーカーユニットを購入してはテストを繰り返してきました。(このテストはこれからも続きます)本当に商品にして良いものだけを厳選してシステムに採用しているため、開業してから15年近くたっていますがこれまでに弊社の販売したスピーカーに採用してきたスピーカーユニットの数はテストしたユニットの3%にも満たないです。

 近年は売上拡大に伴いましてメーカーによるOEMのご提案を多くいただくようになり、市販モデルを改造した弊社オリジナルのスピーカーユニット多くなりました。 弊社で利用しているスピーカーユニットはウーファーからフルレンジまでいろいろありますが、周波数特性の測定などをして素性の確認するのはもちろんですが聴感による音の素直さを第一の選択基準としております。

工程2. 組み合わせを替え、検証を重ねる試作箱作り

 スピーカーの音作りで最も時間を費やすのは複数の試作箱を作り、複数のユニット、複数のネットワークを組み合わせて行う比較試聴です。マルチウエイの場合は主にネットワークとユニットの選定に最も時間がかかり、フルレンジ1発のバックロードホーンのようなスピーカーの場合にはユニット選定と箱作りに最も時間がかかります。

 ↓のスピーカーのようにバックロードホーンのように箱の影響が大きいスピーカーは10台以上箱を作る事はざらにあります。マルチウエイを組むときのネットワークはデジタルデバイダー等を使って済ませるのではなく、実際にネットワークを差し替えを行いながら実験を行っています。

工程3. 公正を期したブラインドテスト

 試作機が納得の行くレベルまできたら必ず社内でブラインドテストを目標とするスピーカーのリファレンススピーカーを使って行います。カーテンをしめてABXのブラインドテストを行って、ブラインド状態でリファレンス機と比較して同等もしくはよりレベルの高いところまできましたら基本設計は終了でここから詰めの作業にはいります。

工程4. 自社無響室での周波数特性の測定

 弊社ではリスニングルーム隣に簡易的な無響室を備えておりまして、こちらでスピーカーの周波数特性を測定に活用しています。こちらの無響室は専門設計をされている若林音響様に設計を依頼し弊社で自作した2畳ほどの簡易無響室です。自社無響室を本価格的な無響室に近づけるために小野測器様の無響室を借りて過去2回作り変えています。

 測定の目的は周波数特性をフラットにすることではありません。ダクト調整やネットワーク調整等をした時の周波数特性の変化や、バックロードの音道チューニング・開口部チューニングをした時の変化を使いこなしPDFレポートに書いてユーザー様の使いこなしに御利用いただくために行っています。測定はあくまで聴感を補足する意味合いで利用します。

工程5.最終チューニング

 基本設計を終えたスピーカーシステムは吸音材やダクト調整などの微調整を経て1台を完成させます。この最終決定前は部屋を変えてスピーカーの音出しテストをしたり、場合によっては知り合いのリスニングルームに持ち込ませていただいたり、試聴会を開催してお客さまのいろいろなソースをかけて評判を聞いたりしながら最終決定をします。

音工房の品質を支えるこだわり

 音工房Zはお客様に満足してもらうために、最高の音質設計を常に目指しています。しかし、私たちが追求しているのは、単に「音が良い」という評価だけではありません。木材の選定から加工精度、そして製作に失敗してしまった場合のアフターサポート、など購入後の満足度まで含めて一つの商品だと考えています。

エンクロージャーに使う木材へのこだわり

 音工房Zはエンクロージャーに使用する木材に強いこだわりを持っています。多くの試作や販売を通じて分かったのは、高級木材を使えば自動的に良い音になるわけではないということです。最も重要なのは、適度な剛性を確保することです。強すぎても弱すぎても理想の響きは得られません。弦楽器が適切なテンションで最もよく鳴るのと同じです。

 私たちは数多くの実験を重ね、スピーカーごとに最適な材種や板厚、補強方法を選定してきました。バーチ(白樺)合板は硬質で高比重かつ美観にも優れ、ハイエンド製品に採用しています。MDFやシナベニヤも用途に応じて最適なものを厳選し、キット・完成品ともに理想的な鳴りを実現しています。

音のためのデザインをこだわる

 私は以前、スピーカーは「音」がすべてだと考えていました。多少デザインが悪くても、音さえ良ければ問題ないと思っていたのです。しかし今は、音とデザインは切り離せないものだと考えています。 長岡先生の著書に「戦闘機は性能を追求すると自然と美しくなる」とありますが、まさに同じことがスピーカーにも言えます。音を突き詰めていくと、箱の形状、特にバッフル面積など、デザインそのものが音に直結していることが分かります。
 音工房Zの製品はキットと完成品に分かれますが、すべての形には音響的な意味があります。見た目のためのデザインではなく、音を第一に考えた結果としてのデザインを大切にしています。

木工加工精度へのこだわり

 弊社のスピーカーシステム・キットは、日々高い加工精度を追求しています。重要部分については精度保証を行い、基準を満たさない場合は返品交換にも対応しています。仕入れた木材はノギスで厚み誤差を確認し、計算した上で木取りを行います。NC加工機や昇降盤を用い、一般的な±1mmではなく±0.2mmという高精度で加工しています。完成品・キットともに埼玉県の自社工場で製作し、2台の専用NC機械を駆使しながら熟練職人が1台ずつ丁寧に組み立てています。

梱包にもこだわる

 スピーカーの完成品はダンボールを2重にしたうえ破損しやすい角には特注の曲げダンボールをいれるようにしています。(商品により多少異なります。)スピーカーキット商品はベニヤの配置を工夫することで、万一ダンボールが多少潰れてもベニヤが傷つかないような配置を考えてエアーキャップにより梱包しております。輸送中の事故はほとんどありませんが、100%ゼロにするのは難しいため万が一事故があった場合はダンボールをご処分なさらずにご連絡ください。迅速に交換等の対応を取らせていただいております。

商品を200%使いこなしてもらうためのアフターサポート

スピーカーのチューニング・セッティングサポート

 スピーカーは購入して終わりではありません。エージングに始まり、スピーカー自体のダクトやネットワークチューニング、スピーカーの配置位置とリスニングポイントの最適化等、使いこなしで音は大きく変わります。スピーカーを使いこなすための情報はメルマガやブログなどで発信してゆきます。チューニングを試みてもし納得がいく結果にもっていけない場合はメールサポートを御利用ください。

スピーカーのセッティング位置とリスニングポジションの最適化

 閉じた空間では、ある一点の周波数成分は位相反転の影響で非常に複雑になります。さらに実際の試聴環境では、設置条件に制約がある場合が多いのが現実です。そのためセッティングは、限られた条件の中でトライ&エラーを重ね、ご自身にとっての最適なポジションを見つけていく必要があります。音工房Zでは、基本セオリーをベースに自社試聴会やお客様から得た豊富なデータをもとに、具体的なアドバイスを行っています。また、用途に応じたスピーカーの使い分けや、スーパーツィーター・サブウーファーの追加、ユニットのアップグレードなどについても、メールフォームよりご相談いただければ2営業日以内に専門的な回答をお届けします。

取り扱い説明書の他にサポートページをご用意しています

 スピーカーキットと言うとカットされたベニヤに取説が1枚入っているだけと思われるかもしれませんが音工房Zのスピーカーキットは異なります。弊社のキットは紙の簡易的な取説と合わせてスピーカーの組み立てや塗装に関わる動画セミナー等を閲覧するページをご用意しています。

品質保証について

 音工房Zのスピーカー完成品・キットの保証は2年間になります。ただし、同時に付属いたしますスピーカーユニットの保証は各メーカーの保証期間の長さとなります。スピーカーは過大入力等の場合は保証期間内でも有償の修理となります。こちらの発送ミス等の場合は保証期間は関係なくご対応させていただきます。

 お客様がキットでベニヤを組み間違えて組んでしまった場合や破損してしまった場合などはこちらにストックがある場合は有償になりますがパーツだけの販売をさせていただくことができます。ストックがなく生産を継続している商品につきましては次回の生産までお待ちいただく場合がございます。(ご希望に添えない場合もありますのでスピーカーキットのパーツをご希望の方はまずはメールでお問い合わせください。なるべくお早めに製作していただけるとパーツのストックが残っている可能性が高いです) 限定品の場合・販売終了商品は原則パーツ売りは不可です。