Z601-Modena(V3)

8cmフルレンジスピーカーを20年追い続けてきました。その答えが、この一台です。

Z601-Modena(V3)

Z601-Modena(V3) Z-Modena(MK3)

販売終了まで

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  • 既存の高級フルレンジを元に新開発したユニットZ-Modena(MK3)を搭載。
  • 内部に2本の桟で仕切られたダブルバスレフ構造を新開発ユニットに合わせてチューニング。
  • 過去の膨大なスピーカー設計から導き出したデータを元に、試聴・測定・ブラインドテストを繰り返しこの1台を完成させました。
  • 3つの斜めの板がエンクロージャー内部を構成、 場所により3種の異なる厚みのエンクロージャー、低域調整用の木材を4枚付属、専用サブバフルを付属。
  • 高精度カット済み合板に、空気室吸音材、バナナプラグ対応ターミナル、ビス、内部スピーカーケーブル等を全てセットしたオールインワンキット。
  • ボーカルも弦も金管も、どれもが主張しすぎず自然なまとまり。MK2に比べると、長く聞きたくなる音。

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Z601-Modena(V3)

Z601-Modena(V3)

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Z-Modena(MK3)

Z-Modena(MK3)

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開発経緯

01 誕生の原点は2010年にあった

第1話となる今回は、Z601-Modenaという名前が付くずっと前の時代の話から始めます。というのも、Z601-Modenaの音作りはV3から突然生まれたものではありません。音工房Zでは、創業初期から一貫してフルレンジスピーカーに本気で向き合い続けてきまして、一つ一つのフルレンジスピーカーにマッチした箱を作ってきました。

それらのモデルはこれから販売予定のZ601-Modena(V3)と根っこの部分でつながっている部分がありますので少し過去を振り返ってみたいと思います。昔から弊社の商品を見てくれているユーザー様にとっては懐かしい商品かと思います。最近読み出してくれたお客様は、音工房のフルレンジにかける思いを感じ取っていただけたら幸いです。

 

■Z601-Modenaという型番が生まれる、そのずっと前の話

 

その原点とも言えるモデルが、2010年に発売したZ600-SAF80AMGです。

まさに開業2年目の時にだしものです。2010年前後の音工房Zは、現在のように多くのモデルを展開している工房ではありませんでした。

主力だったのは、
・小型フルレンジ
・比較的シンプルな箱
・自作派にも手が届く価格帯

今で言う「Zの原型」のようなラインナップ構成です。その中で、8cmフルレンジは「実験の場」でもあり、同時に「勝負のサイズ」でもありました。小さいからこそ、音作りの誤魔化しが一切きかない。 箱の影響、ユニットの性格、ネットワークを使わないがゆえのピークやバランスの難しさ。それでも、「8cmでどこまで本気の音が出せるか」ここに音工房Zは本気で取り組んでいました。

 

■Z600-SAF80AMGというモデル

 

Z600-SAF80AMGで採用したのは、当時マニアの間で話題になっていたマグネシウム合金振動板の8cmフルレンジユニットでした。それまで主流だったFOSTEX FE系に代表される中高域が前に出るはい上がり系の音とは、明確に方向性が異なります。

Z600-SAF80AMGの音は、低域側に重心を置いたローブースト寄りのバランスでした。8cmフルレンジとは思えない低域の伸びと量感を持ちながら、全体として落ち着いたトーン。当時としては、かなり思い切った音作りでした。

なお、この時点では、まだBHBS構造は採用しておらず、箱はごくオーソドックスなシングルバスレフ方式です。まずは基本に忠実な構成で、ユニットの個性と箱の相性を徹底的に詰める。これが当時の音工房Zのやり方でした。

 

■完成品版「Z800-SAF80AMG」

 

Z600-SAF80AMGは、キット版だけでなく、完成品モデル「Z800-SAF80AMG」も同時に展開していました。 自作を楽しみたい方にはZ600。組み立てや仕上げまで含めて完成された音を求める方にはZ800。同じ音の思想を、異なる形で提供する。この考え方は、現在の音工房Zの製品構成にもつながっています。

結果として、2011年だけでZ600-SAF80AMGとZ800-SAF80AMGは295セットを販売。8cmフルレンジとしては、かなりのヒットモデルとなりました。

 

■この時代の8cmフルレンジが、Z601-Modenaの出発点だった

 

Z600-SAF80AMGが売れたこと以上に、私にとって大きかったのは、音に対する確信でした。8cmフルレンジでも、

・低域の伸びをしっかり感じられる
・音量を上げなくても成立する
・長時間聴いても疲れにくい

こうした音作りは、十分に成立する。そしてそれを求めている人は確実に存在する。この経験がなければ、低能率系のフルレンジをやってゆくことはなく、FOSTEXの高能率のバックロードだけになっていたと思います。この時点では、まだZ601という型番も、Modenaという名前もありません。

02 第2話 ユニット1000個発注の大勝負

↓は初代Z601-Modena(V1)ですが、こちらのお話です。

前回お話したZ600-SAF80AMGは大変優れた音を出してくれました。しかしその後、さらに「これは」と思うユニットに出会うきっかけがありました。それは、かつて参加していたオーディオサークルでのことです。その中で、数名の方が使用していたある海外製の8センチフルレンジユニット。この音が本当に良かったのです。鋭すぎず、曇らず、バランス感が抜群で、「Z601に使うなら、これしかない」と思いました。

そこで思い切って、その海外メーカーに連絡を取り、OEMとしての供給が可能かどうかを確認しました。条件はシンプルで、「1000個以上発注すれば同じ仕様のユニットを供給可能」、内部仕様は少しだけ変更するが、音はほぼ同一で可能とのこと。

すぐに社内で検討し、「Z-Modena」という名称でこのユニットをZ601-Modena(V1)と一緒に販売することを決めました。ただ、1000個の在庫を一気に抱えるというのは、当時の音工房Zにとってはかなり勇気のいる決断でした。在庫リスクの大きさは、まさに清水の舞台から飛び降りるような心境です。

ところが、ふたを開けてみるとその心配は杞憂で、このZ-Modenaユニットは予想以上に好評を博し、1年も経たないうちに次の1000個を購入しました。結果的に、この判断がZ-Modenaシリーズの大きな転機となり、音工房Zの代表ユニットとして現在まで続く流れの第一歩となったのです。

「Z-Modena」という名称はかっこよいイタリアの都市名で、フェラーリにも存在するモデルということで「Modena」としました(笑)以降の音工房のモデルはイタリアの都市名から頂戴するのはこの時にはじまりました。

 

■仕切り2枚のZ601の開発は偶然の産物だった

 

Z601-Modena(V1)の箱について。このスピーカー、実は最初から綿密に設計されたわけではありません。むしろ、「とりあえずやってみよう」という手探りの中から生まれた、偶然の産物でした。当時の音工房Zには、今のような測定やブラインド試聴のルーチンはまだなく、開発はすべて「耳」と「勘」に頼っていました。その中で、ふと箱の中に仕切り板を2枚斜めに入れてみたところ、想像以上にバランスの良い音が出たのです。

特に印象的だったのは、低域の伸びと、抜けの良さが両立していたこと。それは、私たち自身も驚くほどでした。通常、ダブルバスレフ構造では、第1空気室と第2空気室の容積比を2~3倍にするのがセオリーですが、Z601(V1)はその常識を一切無視しており、「良い音だったから、それで行こう」という極めて実験的なアプローチでした。

それでも、2枚の仕切り板によって中域の膨らみが抑えられ、8cmとは思えないローエンドの伸びが得られたのは事実です。初代Z601-Modenaの素材は15mm厚のホワイトバーチ合板でした。当時はホワイトバーチの価格も今より安く、比較的気軽に試作ができた時代でもありました(笑)。

この試作箱は、1回目の製作でいきなり良い音が出てしまったため、最小限の調整だけを加え、「とりあえず販売してみよう」と決断。これが結果的に、2013年から2017年までの間に811セットを完売するというヒット商品につながったのです。今となっては、Z601-Modena(V1)は、8cmフルレンジとして音工房Zにとって最初に「成功」を体現してくれたモデルと言っても過言ではありません。

 

■BHBSの出発点

 

Z601-Modena(V1)が想像以上のヒットとなり、私たち音工房Zにとって、8cmフルレンジの可能性を強く確信するきっかけとなりました。このZ601-Modenaの成功に気を良くして 生まれたのが後の「Z702-Modena」の前身モデルZ701-ModenaBHBSminiというBHBS構造を作ったスピーカーです。

このモデルは、Z601-Modenaで確立したダブルバスレフ的な音の良さをベースにしながら、それだけでは到達できない「ローエンドの伸びと抜け感」の両立を目指して設計されたものでした。

私たちは長年、長岡鉄男先生が提唱されたバックロードホーン(BH)構造、その音の立ち上がりの良さやライブ感の再現力には大いに魅力を感じていました。一方で、長岡式はサイズが大きく、製造に手間がかかるという点と合わせて、「中域の膨らみ(パイプ音)」「ローエンドは思ったより伸びない」という欠点にも悩まされていました。

そこへ登場したのが、石田健一さんによって考案されたBHBS(バックロードホーン・バスレフ)という考え方です。BHBSは、バックロードホーンのような音の勢いを持ちつつ、バスレフダクトの調整によって中域の膨らみを抑えてローエンドを伸ばすいわば「いいとこ取り」の箱構造でした。これを採用して開発されたのがZ701-ModenaBHBSminiでした。(後のバージョンからZ702-Modenaに変更)z701-Modenaは、V1・V2・V3とモデルチェンジを繰り返し、内部の音道形状やダクト調整を細かく見直していく中で音工房ZのBHBS技術の礎を築いていきました。

03 第3話 箱はV2へ、ユニットはMK2へ

今回は第3話「Z601-Modena(V2)への進化」です。初代V1で方向性を固めたZ601-Modenaが、どのようにして音工房Zを代表するモデルへと成長していったのか。その転換点となったのが、このV2世代でした。

 

■Z601-Modena(V2)への進化

 

Z601-Modena(V1)の販売が一段落した後、私の中では、次に進むべき方向がかなり明確になっていました。V1で得られた多くの手応え。一方で、「まだ詰められる余地がある」という感覚も強く残っていたのです。こうして開発したのがZ601-Modena(V2)でした。

V2は2019年から2023年まで、主に箱単体として販売。結果として2271セットという、これまでにない数量が世に出ることになります。Z601-Modena(V2)で最も大きな転換点だったのが、Amazonでの販売です。これまでの音工房Zは、自社サイト中心の販売が基本でした。あえて販路を絞り、Amazon専売にしたことで、より多くの方の目に触れるようになります。

またそれまでは、ホワイトバーチベニヤ15mmで作っていたものを、MDF12ミリにしてコストカットして安価に販売しました。結果は想像以上でした。Z601-Modena(V2)はAmazon内で一気に認知が広がり、いわゆる「ブレークしたモデル」になります。

この経験は、音の良さだけでなく、販売チャネルも重要であるということを改めて実感させられる出来事でした。

 

■箱の構造変更点

 

V2のエンクロージャーはそれまで平行に配置していた内部の仕切り板を、角度をつけた配置に変更しました。斜め板はBHBSではほぼ毎回使いますがそのノウハウをZ601-Modena(V2)にも採用しました。これにより低音の抜けと癖がなくなりローエンドも少し伸びています。斜め板にしたことで中高域の乱反射がおきるのかわかりませんが、吸音材を空気室にいれなくても高域のダクトからの漏れがすくなくなり標準では吸音材をなしにしました。

また、V1ではホワイトバーチベニヤ15mmを使用していましたが、V2からはMDF12mmへ変更しました。価格を抑えるためにMDFを使いましたが、板厚に関しては、内部の容積を少しでも大きくとるための設計変更でした。

 

■完全オリジナルユニット「Z-Modena(mk2)」へ

 

V2世代でのもう一つの大きな変更点がユニットの刷新です。V1では、既存ユニットをベースにしつつ、音工房Z用に最小限の調整を加えていました。V2からは一歩踏み込みマグネット定数を変更した完全オリジナル仕様へ移行しました。これがZ-Modena(mk2)です。

ユニット単体販売も開始しました。

結果として、この判断も大きく当たります。2019年から2025年までに、ユニット単体だけで2349セット完売。8cmフルレンジのユニット単体販売としては、かなり異例の数字です。自作派の方が箱を工夫しながら使う。既存のZユーザーが交換・追加で使う。Z-Modena(V2)は「弊社のキット用、完成品用」として以外にも自作派の「素材」でも支持される存在になっていきました。

ユニット改訂と箱も小さな改善を積み上げていきったところZ601-Modena(V2)は音工房Zで最も数が売れたスピーカーとなりました。V1で方向性を作り、V2で一気に広がった。この流れがなければ、現在のV3も存在していません。

04 開発4 Z601-Modena派生モデル総まとめ

V2世代で完成度が一気に高まったZ601-Modena(V2)とZ-Modena(mk2)。この2つを軸に、音工房Zでは数多くの派生モデルを展開してきました。Z-Modena(mk2)を使った箱、そしてZ601-Modenaで確立した斜めの仕切り構造を応用した別ユニットのシステム。これらは単発の企画ではなく、「箱とユニットの考え方」を横断的に展開してきた結果です。

現在はスピーカーのレギュラー販売モデルをZ601-Modena(V3)とフラッグシップの2つに絞る決断をしましたが、数年まえまでは裾野を広げるためにいろいろなものをだしてきました。ここれではそれらのスピーカーの数々を紹介します。

 

■Z702-Modena(V1~V6)
(Z701-ModenaBHBSmini)

 

Z702-Modenaは、Z601-Modenaよりひと回り大きな箱のサイズのスピーカーで本格的なBHBS音道構造を使ったスピーカーになります。V1からV7まで、内部構造やダクト寸法、細かなチューニングを積み重ねながら改良してきました。 V1とV2はパーチクルボードむき出しのエンクロージャーでした。

V5以降はZ-Modena(mk2)を採用し、箱とユニットのマッチング精度が一段と高まっています。

実はZ-Modena(mk2)はこちらのZ702-Modenaに合わせて作っていました。今回のZ-Modena(mk3)ではベースモデルをZ601-Modenaにマッチする形にする予定です。

 

■【点音】Z600-Modena

 

Z600-Modenaは、「点音源再生」に強く振り切ったモデルです。最初は四角い箱でした。低域の量感をあえて切り捨てて、(サブウーファーに任せて)定位を最優先にしています。箱の存在感を消し、スピーカーの位置に音が張り付かない。Modena系の中でも、特に音像重視派の方に支持されてきたモデルです。このモデルは現在Z600-Cannonball100,160シリーズに受け継がれています。

 

■マークオーディオ「OM-MF5」限定箱

 

基本構造はZ601-Modena(V2)と同じものです。斜め仕切り構造をベースに、マークオーディオOM-MF5専用として設計した限定エンクロージャーも制作してきました。ユニットが変わっても、低域の伸びと中低域の量感を同時に成立させる。この箱構造の汎用性の高さをはっきり示したモデルだったと思います。

 

■マトリックススピーカー

 

3本ユニットのマトリックス構造のスピーカーに採用したのもZ-Modenaでした。Z-Modenaを3本使用し、中高域の生々しい美しさを表現しました。箱はZ601-Modenaで得た内部構造の考え方をベースに応用したBHBS構造を採用した箱となっておりました。

 

■Z601-OMOF101

 

Z601-Modenaの箱構造をそのまま応用し、別ユニットを組み合わせたのがZ601-OMOF101です。ステレオ誌の付録の今は亡きONKYOのユニットを使ったスピーカーです。ユニットが変わっても、箱の設計思想が共通であれば音の方向性は大きく外れない。Z601-Modenaで作った箱が単なる一製品ではなく、設計の土台として機能していることを示すモデルでした。

 

■Z1000-Siena / Z701-Siena

 

つい2年ほど前の限定販売モデルです。Z-Sienaは、最高級のサイズや価格帯こそ異なりますが、Modena系で培った音の最上位のモデルでした。当初Z601-Modenaと違った音道を検討しましたが、結局ここに戻ってきたという経緯があります。 今回のZ601-Modena(V3)におけるベンチマークというか、目標的なスピーカーでもあります。

 

■合算すれば5000セットを超える理由

 

Z-Modena(mk2)を使った箱、Z601-Modenaの斜め仕切り構造を応用した各種システム。これらを全て合算すると、販売台数は5000セットを超えている販売数になります。
特定の流行や一部のマニア向けではなく

・設置しやすい
・扱いやすい
・長時間聴ける

こうした万人性のある設計だったからこそ、ここまで広がったのだと思います。

05 第5話 Z601-Modena(V3)で目指す音

Z601-Modena(V3)の開発はまったく新しいスピーカーを一から作る、という発想では始まっていません。これまで掲載してきたようにZ601-Modenaやそれを応用したスピーカーで積み重ねてきた設計、試作、販売、そして膨大なフィードバックがあります。

Z601-Modena(V3)ではスピーカーユニットとエンクロージャーを刷新しますが、まずはスピーカーユニットについてどのような方針で音を作るかをお伝えします。Z-ModenaはV1、V2、派生商品を通して、「完成度の高い8cmフルレンジ」と評価される存在になっていました。

・8cmとは思えない低域の伸び
・音量を上げなくても成立するバランス
・長時間聴いても疲れにくい音
・設置や扱いのしやすさ

これらは、V3でもすべて前提条件です。V3では、これらを捨てたり変えたりすることは一切考えていません。

 

■Z-ModenaMk3で目指す音①「最強8センチフルレンジ」

 

Z601-Modena(V3)は、位置づけとしてはエントリーモデルになります。ただし、ここで言うエントリーとは「安い」「簡単」という意味ではありません。初めてスピーカーを自作した人が、手持ちのマルチウエイスピーカーと比較して、圧倒的な感動を覚える。それができない8cmフルレンジに、存在価値はないと考えています。

安くてそこそこ良いスピーカーであれば、この世の中にはすでに無数に存在しています。その中であえてフルレンジと箱に命をかけて作り続けてきた私たちが、何を目指すのか。聴いた瞬間に、「これは違う」と感じられること。技術的な説明をしなくても、価格を知らなくても、 一音で伝わる。

これまで300万円クラスのハイエンドスピーカーと真剣勝負してきたZ601-Modena(V2)ですが、V3では、目標をさらに引き上げます。目指すのは「1億円クラスと比べても引かない音」。8cmフルレンジという枠の中で、そこまで本気でやります。

 

■Z-ModenaMk3で目指す②「扱いやすさ」

 

V3で重視しているもうひとつの柱が扱いやすさです。扱いやすさとは、単にサイズが小さい、軽い、という話ではありません。

・どのような音源でも
・どのようなアンプでも
・どのような部屋でも

極端な話、好みや条件をある程度超えてしまうようなスピーカーであること。これこそZ601-Modenaが長く支持されてきた理由のひとつでもあると思っています。高級アンプでなくてもいい。いわゆる中華アンプであっても、恐ろしく良い音で鳴る。特別な知識や特別な環境を用意しなくても、自然に音楽に入り込める。V3では、この扱いやすさをさらに高いレベルへ引き上げることを目指しています。

 

■Z-ModenaMk3で目指す③「万人受けを狙います」

 

Mk3では、あえてはっきり言います。万人受けを狙います。特定のマニアだけが分かる音を作って、自己満で終わる。そういう方向には進みません。場所や時間、再生環境やジャンルを超えて、誰が聴いても 「良い音だ」と感じられること。

極端な話、100年後にこのスピーカーを初めて使った人が、同じように感動できる音を目指していきます。B&Wの805やJBLの4312のようなイメージです。これは最も難しい挑戦です。Z601-Modenaがこれまで多くの人に 選ばれてきた理由は、この方向性にあったと考えています。Mk3では、その思想をより純度の高い形で音に落とし込みます。

06 第6話 ユニットのベースモデルが決まる

Z601-Modena(V3)の開発において、最も重要なパートの一つが使用するユニットの選定です。皆様が最も気になっているところかもしれません。音工房Zでは2代目のZ-Modena(mk2)の、オリジナルユニットの制作は既存モデルのユニットをベースに調整(オーバーダンピング化)を行いました。

mk3の開発において当初は完全ゼロベースでのユニット開発を当初考えていましたが、最終的には既存モデルをベースにカスタマイズする道をとりました。今回は、そのユニットの選定から開発に至るまで、どのようなプロセスを経たのかをご紹介します。

 

■ベースモデルを決めるまで

 

今回採用を決めたベースモデルは実は以前に行った高級8cmフルレンジユニットの一斉比較の際にとても印象的だったモデルの一つです。2年ほど前の話です。

10種類以上の高価格帯ユニットを並べて、全く同一の箱・条件で比較したところ、このユニットは、音のまとまり、バランス、空間の自然さで他を大きく上回る内容でした。また、その際に録音したYouTube用空気録音でも、このユニットの音が視聴者から最も高い評価を集めたという実績があります。

そして、このユニットを音工房流の音に味付けすることで“レギュラーモデルとして採用していこう”と決めました。このテストをした時は同じ8センチの最高級ユニットをZ-Sienaとして販売しましたが、こちらのモデルとも相当悩みました。Z-Sienaは音も価格も上ですが、それでもこのユニットの出す音は圧倒的なコストパフォーマンスと呼べるレベルに達していました。そのときに感じたのが、「このユニットは限定で終わらせてはいけない」という思いでした。

私だけでなく、ネット上でも高評価が多く、多くのユーザーに「音の良さ」が伝わっていたと感じています。ちなみに、このベースモデルのユニット単価は、Z-Modena(mk2)の倍近い価格設定となっています。 それでも、その音質差は圧倒的でした。Z601-Modena(V3)にはこのユニットを軸にし、ただそのまま使うのではなく、箱に完全マッチさせるためにカスタマイズを行うという方針を取りました。

 

■MK2までとの決定的な違い

 

実際に比較してみて感じたのは、このベースモデルは明らかに“聴きやすい”という点でした。それは決して、ディテールを省いたり、味付けを誤魔化しているわけではありません。瞬間的な試聴では輪郭の鮮明さやはZ-Modena(mk2)のほうが高いと感じる瞬間さえあります。しかし、少し聴き込むと全てのクオリティーにおいてMK2の音にほとんどのファクターで軍配があがることが分かります。価格面でも違いは大きく、Z-Modena(mk2)の倍の単価ですが、そのぶんの音の違いは明確に感じられます。

V2までの「輪郭のシャープさ」「正確な音像」に対し、V3では「空間表現」「厚み」「自然さ」を重視。これまでとは違う方向性を取りつつ、万人に愛される音作りを目指せる、そんな可能性を感じたのがこのユニットでした。高級フルレンジのZ-Sienaの良い面と、Z-Modena(mk2)の良い面の両方をもったユニットのようにも感じました。

 

■実際にZ601-Modena(V2)と同じ箱に入れて試聴

 

実際にZ601-Modena(mk2)の箱に組み込み、そのまま比較試聴も行いました。

ここで得られたのは、「ここまで音が変わるのか」という印象です。Z-Modena(mk2)は、輪郭がはっきりしておりますが少しだけはい上がりな音です。一方、今回のベースモデルは、より音楽的な広がりを持ち余裕ある鳴り方をします。Z-Sienaと比べてしまうとどちらが好みかは分か れる部分もあるかもしれません。 しかし、聞きやすさ・長時間再生での快適さという点では、今回のベースモデルに軍配が上がる印象でした。

スタッフの青木は、この試聴を行った瞬間、
「これ、ものすごく良いですね。絶対売れますよ。私用に2本買います(笑)と。音質の厚み、定位の自然さ、そして中低域の表現力を高く評価していました。 ここまでベースが優れたユニットのどこをカスタマイズするのか?という疑問もあります(笑)が、最強の8センチフルレンジ製作はここからが始まりです。

07 第7話 ユニット測定とカスタマイズ依頼

Z601-Modena(V3)の開発は専用ユニットの選定からさらに一歩進み、数値による特性確認と、実際の使用評価へとすすみます。前回紹介したベースモデルは素の状態で非常に音が良く、このまま製品化しても十分通用するものでした。しかし、それでも私たちはこのユニットにさらに手を加えてゆきます。その理由とプロセスについて、今回はご紹介していきます。

 

■F特測定で見えた特徴

 

まず行ったのが、周波数特性(F特)の実測です。これは以前にも行っていましたが、再度mK2などとの比較も確認します。

Z方式のJIS箱にユニットを取り付けて、測定を行いました。特性は決してフラットではなく4KHzあたりが落ちている「聞きやすい」系の音です。単純に特性比較だけすると、mk2のほうは軽い右肩上がりな特性です。高域特性は限定で販売した高級フルレンジZ-Sienaと近い特性です。

↓の左写真の点線はZ-Siena、実線はZ-ModenaMK3のベースモデルで、高域特性もインピーダンス特性も非常に近いです。1~2KHzの帯域はSienaに比べると少し多めです。(昔に測定したもので少し高域ディップの位置がずれています)

↗の右写真の点線がZ-ModenaMK2、実線はZ-ModenaMK3のベースモデルでとの比較です。
MK2と比較すると能率が2dBほど低い感じですが特性は大きく異なります。非常にざっくりした言い方になりますが、新モデルは全体傾向としてはZ-Sienaに近いですがZ-Sienaより少しだけ1~2KHzが多いといった感じです。

 

■TSパラメータの実測

 

F特とあわせて重要なのが、TSパラメータ(Thiele-Small値)の実測です。

こちらはDATSV3測定器を使い測定しました。測定結果は以下のような傾向でした。

Z-Modena mk3のベースモデル
・Fs:約90Hz
・Qts:約0.42

Z-Modena mk2
・Fs:約112Hz
・Qts:約0.65

前の周波数特性をみても、低域の共振点と共振の鋭さはMK2のほうが高いことがわかります。つまり、現時点でmk3はmk2との比較においては締まりがあるオーバーダンピング特性と言えますが、mk2のほうが中高域が多いので聴感上はmk2のほうがよほどオーバーダンピング傾向の音に感じます。

 

■Z702-Modena(V6)にも入れて試聴

 

次に、Z601だけでなく、Z702-Modenaの箱にもこのユニットを入れて試聴を行いました。本ユニットにはベース(何もつけない)モデルをZ601-Modenaにマッチさせて、マグネット強化でZ702-Modenaのモデルにもマッチさせられないか?と考えたからです。

結果として、中域から高域にかけては非常に良好で、Z702の持つ空間性や定位もきれいに出ます。しかし、やはり低域に関しては、ダンピング不足が少し顔を出す印象がありました。ダクト周波数付近のエネルギーがやや飽和し、輪郭がぼやけやすくなる傾向があります。これはユニット自体のQtsの高さに由来するもので、BHBS方式で最適に駆動させるには、マグネット強化などの対応が必要と判断しました。

 

■ベースモデルでも大ヒット級の実力

 

ここまでの確認で分かったのは、このユニットはベース状態のままでも非常に優秀で、仮にこのままZ601-Modena(V3)として販売しても確実にヒットするだろうと思います。しかし私たちは、あえてその上を目指します。

「箱とユニットを完全に一体化させる」

というのが音工房Zのスピーカー設計の根幹です。Z601-Modenaの箱構造は、シングルバスレフに斜めの板を入れた非常にシンプルな構造です。正直このままでも綺麗になっていますが、さらに上をめざすため、ユニットメーカーに以下のカスタマイズを正式に依頼しました。

・マグネット強化によるQtsの低下
・Qtsが下がっても煩くならないように高域を調整

これにより、Z601-Modena(V3)専用のユニットとして、Z-Modena(mk3)が誕生する予定です。このユニットは、単に音が良いだけでなく、Z601-Modenaという箱とセットで鳴らすことで、初めて完成する“設計一体型のユニット”です。

08 第8話 初回の試作ユニットが届く

Z-ModenaMK3の試作ユニットがついに音工房Zに届きました。

今回は、その試作品を実際に音出しし、どのような第一印象を持ったのか、そして今後の調整ポイントについて詳しくお伝えしていきます。

 

■Z-Modena(V3) 試作1つめのユニット到着時の第一印象

 

試作品は、メーカーと事前に調整した通り、仕様の要点は以下のようになっていました。

・Qtsを約0.1だけ下げ、制動性を高めた構成
・高域ピーク抑制のため、センターキャップの位置を調整

外観的にはほぼ同じで、センターキャップの位置が5mmほど飛び出しています。上の左の写真はカスタマイズしたモデルとカスマイズ前のモデルを左右に並べています。左のものがセンターキャップ位置が突き出ているのがわかりますでしょうか? これはメーカー曰く、オーバーダンピング化したことで起こる高域のピークをフラットにするためだそうです。

肝心の音を最初に聞いたときの印象は――
「全体的に派手めなバランスだな」というものでした。

決して悪くはありません。むしろ一般的には「これでいいじゃん」と思ってもらえるレベルの完成度です。しかし、私が求めるZ-Modenaの音では残念ながらありませんでした。高域の存在感がやや前に出すぎており、繊細というよりは、演出過多に聞こえるところがあります。ベースモデルの“音楽的な自然さ”が少し失われている印象がありました。

一方で、中低域のダンピングは非常に良く、もしこれがZ702-Modenaの箱との相性でいえば抜群でした(それでも少し高域が気になる)。BHBS特有の「伸び」と「立ち上がり」が両立しており、 この低域の制動感は確かに成功といえる出来でした。

測定したのが↓です。

実線がmk3のカスタマイズ版。点線がオリジナルです。F特だけ見ると、高域特性は4KHzのディップがなくなりフラットに見えるので、特性だけで判断すると全く悪くなくむしろ良くなっているといえます。しかし、測定上の周波数特性がフラットであるということは音の判断において、我々にはさほど重要なポイントではありません。

 

■Qtsの重要性

 

ここで改めてお話したいのが、スピーカーユニットのもつQtsの意味です。Qtsとは、スピーカーが持つ「制動のしやすさ」を表す値です。この値が高すぎると、低域が膨らみすぎたり、音の立ち上がりが鈍くなります。逆に低すぎると、今度は音が痩せて聞こえたり、低域が伸びなくなってしまうことがあります。高域がはい上がりで賑やかになる傾向があります。

ダブルバスレフやBHBS方式では、適度なダンピングが最大のポイントになります。今回は、Qtsを少し下げたことで低域の制御はうまくいった一方で、高域の出方に影響が出てしまった可能性があると考えました。

Z601-Modenaでは、「タイトな低域」と「伸び」を両立させる必要があります。これを実現するには、単にQtsを下げるだけでなく、ユニット全体の構造バランスが整っていなければなりません。

・磁気回路(マグネット)の特性
・振動板の材質と厚み
・ダンパーの柔軟性
・センターキャップの構造と接着位置

これらが全体として最適化されることで、スピーカーのポテンシャルを引き出せる理想的な状態に近づきます。初回試作のユニットは一般的な製品として見れば、すでに非常に完成度の高いものでした。しかし、Z601-Modena(V3)専用として見た場合、まだ満足できる仕上がりには届いていません。

09 第9話 追加マグネットの実験

Z601-Modena(V3)の開発ではQts(制動係数)の調整が大きなテーマです。初回試作ではQtsを少し下げすぎたことで低域の収まりは良くなったものの、高域にわずかにクセが出てしまいました。このベースユニットは少々私の印象ではオーバーダンピングが強すぎという印象ですが、これを追加マグネットによる後付けで調整できないかと考えました。

マグネットで調整して良い数値が分かればその数値で作り直してもらうこともできますし、もしかしたらこのまま作り変えずにマグネットを追加してユーザーさまにマグネットで微調整をしてもらうという選択も可能です。

これは一般のユーザーにはあまり知られていませんが、スピーカーエンジニアの現場では定番のテクニックのようです。ユニットのQtsは通常、設計段階で決定され、製品出荷後に変更することはできません。しかし、追加マグネットを活用すれば、完成後でも特性の微調整が可能になります。

試しに、Z-Modena(mk3)のベースモデルにマグネットを2パターン追加して、DATSV3で測定したところ、数値上はオーバーダンピングが減りました。実験では、Z-Modena(mk3)のベースモデルに対し、異なるサイズの追加マグネットを2種類装着。

DATSV3を用いて、測定を行ったところ、狙い通りのQts調整が可能であることがわかりました。つづいて、mk3のカスタマイズモデルにもマグネットをつけて測定してみます。

マグネットは2通りの付け方が可能です。
(1)一度軽く反発してからくっつくほうにつける
(2)反発せずにくっつくほうにつける

(1)の方法をとりますと、オーバーダンピングがさらに強くなり、(2)の方法をとりますとオーバーダンピングが弱まります。今回のmk3のカスタマイズモデルはオーバーダンピングが強くなりすぎたので(2)の方法でいくつか測定しました。数値上の結果は理屈通りになり実装上の問題もありませんでした。

しかし、実際に追加マグネットをつけたZ601-Modenaの箱にいれて試聴してみてもうまく音がまとまりません。測定データ上では狙い通りに見えても、実際の音として成立するかは別問題です。今回もその典型で、数値的には良い方向に動いているのに、音としてのまとまりが崩れてしまいました。

具体的には、中低域の厚みがやや薄くなり、全体のバランスが軽く感じられます。さらに高域のクセも完全には消えず、音のつながりに違和感が残りました。

つまり、
「数値は改善、しかし音は悪化」
という状態です。

これはスピーカー開発では珍しくなく、むしろよくある落とし穴でもあります。数値は目標に近づき、F特もフラットなのだけど、、、。残念ではありますが、今回カスタマイズしてもらったユニットを採用するのは難しいという結論にいたりました。初回試作の結果と、今回のマグネット調整を踏まえまして、以下の点をOEMメーカーに依頼しました。

(1)マグネットの再調整
Qtsが低すぎると感じたため、マグネットの制動力をほんのわずかに緩め、バランスをとりやすくする方向へ。

(2)振動板の見直し
音がやや硬く聞こえたため、振動板は少しソフトな素材へ変更。これにより、音の抜けと自然さを改善予定。色を白のものと黒のものを2種類作ってもらう予定。

(3)端子の変更
端子は、音工房Zのオリジナル金メッキ仕様に。大型の端子を左右2つ配置し、太いケーブルでも接続しやすくする予定です。(これはZ-Modenamk2からの引き継ぎです)

どんな試作が出来上がってくるか?!その間に箱の試作をすすめてゆきます。

10 第10話 MDF試作と32パターンの音道比較&モノラル鬼試聴

第2回目の試作ユニットを待つ間に、Z601-Modena(V3)の箱設計を詰めていくことにしました。ユニットのキャラクターについては、ベースモデルと第1試作の結果からほぼ8割はつかめています。残る要素は箱になります。これまでのZ方式において、箱の音道設計は「耳で決める」の伝統的な手法でした。今回もそのアプローチを踏襲しますが、Z601-modena(V3)は他のスピーカーとは少し異なる「モノラル試聴」によりベースを決めるというアプローチをとりました。

 

■斜め板2枚で得られる主な効果

 

Z601-modenaは箱の内部に斜め板2枚で仕切っております。この斜め板2枚によって得られる効果はダブルバスレフとしての低域共振が最も大きいですが、まとめると次のような効果があります。

(1)ダブルバスレフとしての共鳴特性

(2)高域の反射制御(ダクトからの高域漏れを減らす)

(3)箱の物理的補強

(4)斜め板による箱内部定在波抑制

低域の伸びと量感はほとんど第2ダクトの数値で決まりますが、第1ダクトの長さと幅も重要です。ここが不適切だと、中域に凹み(ディップ)が好ましくない場所に生じ、声や楽器の芯が弱くなってしまいます。この「凹みの位置」については、F特測定である程度は判断できます。

しかし、「音の抜け」「高域の響き」「輪郭の質」といった感覚的な要素は、測定だけでは分かりません。そこは耳で聴いて判断するしかない領域です。

 

■モノラル鬼試聴とは

 

この方法は、Z601-Modena(V2)の開発時にも用いた手法で、弊社スタッフ青木がはじめた独自の方式です。ポイントは、最初からステレオでは試聴しないということです。ステレオで聴いてしまうと、音像定位や左右の広がりなどに気を取られ、「抜けの良さ」「音の純度」といった箱そのものの素性が分かりにくくなるからです。

まずは、モノラルで1本だけの箱を使い、ひたすら微細な音道パターンの差を聴き分けます。Z601-Modena(V3)の特徴は、内部に配置された2枚の斜め板です。この2枚の板が第1ダクトにあたりますが、位置、角度、長さを微妙に変えることで、音の出方や中域のデップ位置が決まります。そして最終の第2ダクトが低域の量感や伸びに大きなな影響をもちます。

今回試したパーツは具体的には、以下の4つの要素を変動させます。

(1)第1ダクトの長さ

(2)第1ダクトの幅(隙間)

(3)第1ダクトの傾斜角度

(4)第1空気室の容積と第2空気室の容積比

これらを32パターン以上に分けて試作・試聴を行いました。

 

■準備と木取り

 

開発スタッフの青木は、Z601(V2)で蓄積された大量の音道パターンや測定データをまずは再確認。そのデータをもとに、「この新しいユニットに合いそうな形状は?」「前より制動が強くても伸びる箱は?」といった仮説を立て、PC上で木取りを開始しました。使ったのは、CADソフトExcelです。

こうして、組み合わせ的には1024パターン以上の斜め板配置が、青木の手によってシミュレーションされていきました。ここから32パターンに絞込み、実際にクランプで仮組みをして聞きます。

慎重に寸法を合わせて、斜め板を仮固定し、箱の「中身だけ」が完成した段階で音道をつけては、外しての試聴の繰り返しです。

カットした板の写真を撮り、画面上に並べて左右を見比べ、
「この角度は音が抜けそうだな」
「こっちは反射が強くてレンジ感が出そう」
などと、“音を想像して聴く”という特殊能力をフルに発揮する工程です。

この工程にほぼ2日費やして、2つの良い音道をピックアップしました。1つは中域のディップを150Hzあたりの低めに設定したものもの、もう一つはこれまで通り200Hzあたりに設定したものです。

11 第11話 V3用ユニットのカスタマイズ2回目

前回の試作で方向性としては「いける」という手応えを掴んでいました。ただ同時に、どこかに小さな”引っかかり”が残っていたのも正直なところです。高域のわずかな煩さ。オーバーダンピング化による副作用と言えばいいでしょうか。制動を強めたことで音の輪郭はハッキリしたけれど、その分、高域に少しトゲが出てしまっていた。そこで、もう一段踏み込んだ調整をメーカーに依頼することにしました。

 

■黒振動板ユニットが到着

 

届いたのが、今回の黒振動板ユニットです。振動板はオリジナルの白のものも作ってもらっていまして、これで合計3パターンの試作を作ってもらったことになります。

箱を開けてまず感じたのは、思いのほか黒い振動板とシルバーのセンターキャップのルックスが良い感じでした。メーカーからは事前に振動板を黒に着色すると「音は結構変わりましてソフトな傾向になると思います」という説明を受けていました。

そのため、極端に希望のものと変わりすぎるとまずいということ念のため白の振動板のものも作ってもらっておきました。そして実際に音を出してみると、その言葉通りの変化が出ていました。一聴して感じるのは”柔らかさ”。前回がややシャープでエッジの立った音だったのに対して、今回は音の角が自然に取れている。

そしてこの”柔らかさ”が、前回の課題だった高域の煩さをうまく緩和してくれていました。解像度が落ちたわけじゃない。むしろ細かい音のつながりが滑らかになって、耳に刺さらず、長時間聴いても疲れない。非常にバランスの良い方向の変化でした。

 

■Qts -0.05という無茶な依頼

 

今回の調整で自分が狙ったのは、Qtsの微調整でした。前回の初回カスタマイズではオーバーダンピング化としてQts -0.1でお願いしていました。ただ、それが高域の煩さにつながった可能性がある。なら今回はその半分の -0.05 にしてほしい、そう依頼したわけです。ところがメーカーからはこう言われてしまいました。

「0.05単位での指定は難しいです。調整は0.1単位になります」

正直、予想はしていました。工業製品として量産するにあたって、そこまで細かい数値管理は現実的ではない。

ではどう伝えたか?

「規格品と前回のオーバーダンピング仕様の、 ちょうど中間を狙った音にしてほしい」

そういう形でゴリ押しで依頼しました(笑)。

メーカーの返答はこうです。

「ユニットQtsのは個体差もありますし、ご希望通りになるかはお約束できません。」という回答でした。

 

■出来上がってきたものは、希望通りだった

 

届いたユニットを測定してみると、ほぼ狙い通りのものでした。規格品とオーバー
ダンピング仕様の中間の音。

言葉にすれば単純ですが、Qtsを0.05下げたような音?という “感覚的な表現”でゴリ押しして1発でこれが出てくるというのは、正直かなりすごいことだと思います。

オリジナルユニット 0.43
1回目試作オーバーダンプ仕様 0.34
2回目試作半オーバーダンピング仕様 0.37(黒)
2回目試作半オーバーダンピング仕様 0.38(白)

定結果は初回の試作より0.3上がっていました!さすがに全く半分という値は無理だったようです。メーカー曰く個体差で0.1以内は普通だそうで、今回のものは半分を狙ったが数値は同じでもクレームは受けられないという感じでした。

測定上の数値はさておき、実際に箱にいれて聞いてみると、全く期待を裏切らなない素晴らしい音でした。前回の課題だった高域の煩さは解消され、強いオーバーダンピングと言えるレベルではなく制動の聞いた音で、高域は尖ったところがありません。

低域はしっかり伸びながら、膨らまず、止まるべきところでピタッと止まる。柔らかさと制動が、高いレベルで両立している。Z601-Modenaに対して完璧に狙ったユニットが仕上がった、そう言い切っていい内容でした。まだ最終的な製品版ではありません。でも少なくとも、

「V3の音作りの核心はここで決まった」

早く試作した箱にいれたくなります。

12 第12話 仕様の最終決定

ここまででユニットの方向性はほぼ固まりました。今日は箱の最終仕様を決めます。今回は、スタッフにも参加してもらいこれまでの試作を一度フラットな状態で評価してもらうことにしました。

 

■まずはこれまでの3つのユニットをブラインドで聞いてもらう

 

今回用意したユニットは3種類。2つのベースは同じなので、音の差は非常に僅かです。こうなると先入観が一番の敵になります。ということで、まずは開発の青木に目隠し状態でブラインドテストを実施しました。ラフなテストですが、いつも聞いている曲を15曲ほどかけてどれが鳴っているかわからない状態で最も好きなスピーカーをおしえてもらうテストです。

↑の写真には3つのスピーカーが並んでいますが、左から

(1)Z601-Modena(V2)+Z-modena(mk2)
(2)Z601-Modena(試作候補1)+mk3-黒
(3)Z601-Modena(試作候補2)+mk3-白

「ブラインド状態でも1つだけは傾向が全く違う」と言いました。結果としては、(2)と(3)のカスタマイズした2つのユニットを選ぶ回数が明らかに多い。新たな箱は(V2)に比べても抜けがよく音の芯が伝わってくくるというレビューでした。

次に音工房Zのスピーカーのほとんどの生産を任せているベテランの製造スタッフに同様に15曲ほど聞いてもらいました。彼はギターの奏者で耳も良いのでいつも最終決定時には立ち会ってもらっています。結果は(2)のスピーカーを選ぶ割合が半分、残りが(1)と(3)でした。

現時点でユニットに関しては(1)が選ばれる率が少なく一安心。箱に関しては2つの箱は半々といった感じでした。

 

■箱をどちらにするか決める

 

今回比較するのは、青木がモノラル試聴の段階で「良い」と判断していた2つの箱です。それを実際にステレオで組んだ状態で、対象は(2)と(3)の箱。

(2)と(3)の箱の違いは第1ダクトの共振周波数の違いですが、これは非常にわかりにくい。前者はV2と同じ200Hzあたり、後者は150Hzあたりにセッティングしてあります。言ってしまえば、どちらも正解に近い設計。実際に聞いてみても、差は本当に僅かです。私自身も正直かなり悩みました。

ただ最終的には、(2)の箱を選択しました。この2つは、音源や聴き方によっては評価が逆転してもおかしくないレベルだと思います。どちらが優れているというより、“方向性の違い”です。ではなぜ(2)を選んだのか?

これはもう、理屈というより経験です。15年近くこの仕事をやってきて感じていることですが、この形式のダブルバスレフではディップが高いところにあるほうが印象が良い。長く聴くと差が出るのは100-200の間がフラットなほうで、今回はそこを優先しました。

 

■第2ダクトと吸音材の調整を行う

 

続いて第2ダクトの調整です。ここは低域に最も大きく影響する部分。V2の長さでも成立はしていましたが、今回は少し短くする方向で調整しました。狙いはミッド帯域の厚み。このスピーカーはローエンドを欲張る設計ではありません。中域の質を優先することで、音楽としての完成度を上げていきます。

ダクトは僅かにテーパーをつけた仕様で試聴。V2より40mm短くしました。調整するたびに音が理想に近づいていくのが分かる楽しい工程です。

次は吸音材です。これまでのZ601-Modenaは、基本的に吸音材はなしでも問題なく、むしろ入れすぎると問題が起きることがわかっていました。今回もまずは同じ条件で確認します。次にフェルトを多めに入れてみると、やはり抜けが悪くなる。ここから徐々に量を減らしていきます。フェルトとミクロンウールの両方でテストを繰り返した結果、「入れすぎは完全にNG」という以前と同じ結論。

最終的には、ほんの僅かにミクロンウールを空気室に入れるこれが最も良いバランスでした。この“ほんの少し”が音を大きく左右するのが、スピーカーの面白いところです。

 

■スーパーツィーターのテスト

 

最後にスーパーツィーターの確認です。ここは正直、毎回やるたびに「ここまで変わるか」と驚かされる部分でもあります。まずは1μFでテストを行いました。結果は想像以上でした。一聴して分かるレベルで、空気感、広がり、音の抜けが変わります。

今回のユニットは、Z-Sienaに近くModena(mk2)と比較すると超高域の出方がやや大人しく、まとまりを重視した方向になっています。これは長時間聴いても疲れないという大きなメリットがある反面、超高域の“空気の揺らぎ”や“音場の広がり”といった部分は、少し控えめになる傾向があります。

そこでスーパーツィーターを追加すると、この部分が一気に補完されます。

・音場が横に広がる
・奥行きが出る
・細かい残響が見えるようになる
・シンバルや弦の余韻が自然に伸びる

いわゆる“見えなかった情報が見えてくる”感覚です。しかも重要なのは、中低域のバランスを崩さずに、上だけをスッと持ち上げられる点です。これは通常のトーンコントロールではなかなか実現できない領域です。そのため、STあり・なしの違いは今回のユニットでは特に分かりやすく、効果も非常に大きいと感じました。

コンデンサー値についてもいくつか試した結果、0.82μF~1μFあたりが最もバランスが良いという結論になりました。このあたりの値だと超高域だけを自然に追加でき、

・やりすぎにならない
・音がバラけない
・全体の一体感を保てる

という理想的な状態になります。あくまで今回のテストは仮の段階ではありますが、スーパーツィーターを組み合わせた時のポテンシャルの高さは、かなり明確に見えてきました。

 

■Z701-Sienaや、Z1000-Bergamo、805D3などとも比較

 

ここまで仕様がほぼ固まってきた段階で、最後の確認としてこれまで音工房Zで作ってきた中でも評価の高いスピーカーと比較を行いました。単体で良い音が出ているかではなく、「基準となるスピーカーと比べてどうか」を確認するためです。

今回比較に使ったのは、

・Z701-Siena
・Z1000-Bergamo
・B&W 805D3

このあたりになります。

結果から言ってしまうと、全く問題ありませんでした。むしろ、このサイズ、この構成でここまで来ているのかと、改めて手応えを感じる結果です。特にZ701-Sienaとの比較では、ブラインドで聞いた場合、ほとんどの方が判別できないレベルだと思います。

もちろん厳密に聞けば差はありますが、その差は“優劣”というよりは“キャラクターの違い”の範囲です。さらにスーパーツィーターを追加した状態で比較すると、Z1000-Bergamoや805D3のようなハイエンドクラスのスピーカーと比べ、高域の情報量や伸びにおいて十分に戦えるレベルに到達しています。

これで仕様の99%はすべて決定です。ユニット、箱構造、ダクト、吸音材、スーパーツィーター。次回は、この仕様をベースに図面を起こして、 MDFでボンド接着による本製作に入っていきます。まだやっていないことが3つあります。それは最後の楽しみにとっておきます。いよいよ次回お披露目です。

13 第13話 完成

ここまで長く続けてきたZ601-Modena(V3)の開発ですがついに完成しました。振り返ると、ユニットのカスタマイズから箱の構造、ダクト、吸音材、そして最終の音の方向性まで、一つ一つを積み上げてきた開発でした。毎度ここまでやる必要があったのかと思う部分もありましたが、結果としては「やって良かった」と胸を張って言える仕上がりになりました。

 

■最終仕様で変えた点1

 

今回の最終仕様でまず変えたのが、エンクロージャーの厚みです。場所ごとに厚みの異なるMDFを採用しました。

これは単に強度を上げるためではなく、

・内部の共振を分散させる
・不要な鳴きを抑える
・内容積を最大化する

という複数の目的があります。特にユニット周辺は最も共振の影響を受けやすい部分です。ここにはサブバフルを採用し、合計で約20mmの厚みを確保しました。

一方で、天板・地板には15mm、それ以外には12mmとすることで、必要な剛性を確保しつつ、全体として無駄のない構造にしています。強くしすぎてもダメ、弱くてもダメ。このバランスを取ることで、箱としての完成度を一段引き上げました。

 

■最終仕様で変えた点2

 

2つ目は、オリジナルのサブバフルです。これはユニットの共振対策としての役割がメインですが、それだけではありません。

バフル面での音の回り込みや反射を抑えることで、疑似的な点音源に近い状態を作り出す効果も狙っています。

結果として、

・定位が明確になる
・音像がにじまない
・音の立ち上がりが自然になる

といった変化が得られました。なお、このサブバフルはデザイン的な観点から取り外して使うことも可能にしています。音と見た目、どちらを取るかも楽しんでいただければと思います。

 

■最終仕様で変えた点3

 

3つ目は、第2ダクトの調整機構です。今回のスピーカーにおいて低域のキャラクターを決める 最も重要なポイントがここです。

そこで、ユーザー側でも調整できるように、専用の木材を4本付属する形にしました。

これにより、

・ローエンドを伸ばす
・ミッドバスを抑える

といった調整を、2段階で行うことが可能になります。部屋や設置環境によって最適なバランスは変わりますので、ご自身の環境に合わせて追い込めるのは大きなメリットだと思います。これはたしかV1に行っていたものを復活させたことになります。

 

■実際に聞いてみて

 

今回の最終仕様をすべて組み込んだ状態で、改めて試聴を行いました。結論としては、これまでの試作版と比べて一段まとまりが良くなった、という印象です。劇的にキャラクターが変わったというよりは、細かい部分の積み重ねが効いてきた、という感覚に近いかもしれません。

まず、エンクロージャーの厚みを場所ごとに変えた効果ですが、爆音時の低域のにじみが減りすっきりしました。ユニット周辺の剛性を上げたことで、音の芯が少しはっきりして、全体の見通しが良くなりました。派手な変化ではありませんが、長く聴くと効いてくる部分だと思います。

次にサブバフルですが、定位が良くなりました。特にボーカルや楽器の位置関係が、以前よりも自然に感じられます。あくまで“少し良くなった”というレベルではありますが、このような積み重ねが最終的な完成度に効いてきます。

そして第2ダクトの調整。ここは低域のキャラクターに直接効く部分ですが、今回の仕様ではローエンドを無理に伸ばすのではなく、ミッド帯域の厚みとのバランスを重視した調整になっています。その結果、

・低域はしっかり出るが膨らまない
・中域の厚みが感じられる
・全体として音楽が聴きやすい

という方向にまとまりました。ですが、過去のZ601-Modenaに近い印象が好みの方にはこの調整棒を使うと近い印象にもってゆくことが可能です。

 

■これまでのZ601(V1)と(V2)の違い

 

V1、V2と比較すると、これまでは箱としてローエンドの伸びを重視した設計でしたが、V3ではミッド帯域の厚みを優先しています。その結果、

・ボーカルが前に出る
・音楽としてのまとまりが良い
・長時間聴いても疲れない

という方向に進化しました。高域についても、より繊細で、刺さらず、自然に伸びる方向に仕上がっています。一聴のインパクトよりも、「ずっと聴けるかどうか」ここを重視した音作りです。

今回の開発で一つの目標にしていたのが、限定Z-Sienaレベルの“最強の8センチフルレンジ”のレギュラー販売モデル開発でした。そして結果としては、かなり近いところまで来たと感じています。もちろん完全に同じではありませんが、

・情報量
・音のつながり
・音楽としての完成度

このあたりは、しっかりと並べて比較できるレベルです。さらに今回のV3は、

・特定のジャンルに偏らない
・環境に依存しにくい
・誰が聴いても違和感がない

という意味で、一般性・普遍性のある音に仕上げたつもりです。そして何より、長時間音楽を楽しく聴ける音。これをしっかり実現できたことが、今回の最大の成果だと思っています。

 

■長時間聴ける音

 

最終的にV3でいちばん大事にしたのは、実はここかもしれません。長時間聴いても疲れない音。これは地味なポイントに聞こえますが、スピーカーとして本当に大切な要素だと思っています。最初の10秒だけびっくりするような音は作ろうと思えば作れる。

でも2時間、3時間と聴き続けて「もっと聴いていたい」と思わせる音は、どこかに無理がないことが条件です。V3はその条件を、クリアできたと思っています。V1から始まったZ601-Modenaのストーリーは、V3でひとつの完成形に辿り着きました。

偶然の産物から始まり(V1)、
改良を重ね(V2)、
ユニットと箱を一体で再設計した。
これがZ601-Modena (V3)です。

音工房Zの15年目にして到達した「8センチフルレンジの一つの到達点」です。

注文

Z601-Modena(V3)

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1,500円〜(沖縄・離島は別送料)
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常時販売
Z-Modena(MK3)

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在庫がない場合、リンク先の「再販売お知らせ」にご登録いただくと再販売時にメールでご連絡差し上げます。

ご購入の際に追加オプションを選択できます。

特徴

1. Z-Modena(MK3)を搭載

8センチ高級フルレンジをベースに音工房Zのエンクロージャーにマッチさせる改良を行い完成させたスピーカーユニットです。ダブルバスレフ・BHBSによりマッチするユニットを目指し、ダンピング定数であるQtsの調整を繰り返しました。Z-Modena(MK2)に比べ、特に長時間聞いても疲れない音を目指しました。

2. オリジナルダブルバスレフ

エンクロージャーはこれまでの内部に斜めの木材を2本いれるダブルバスレフ方式です。V1・V2で得た膨大なデータと、新ユニット特性をより発揮するチューニングを行っています。PC上のシミュレーションから1024パターンの音道を32パターンのモノラル試作を試聴・測定を行い、最後はステレオにより内部構造を決めました。

3. 3つの斜めの板がエンクロージャー内部を構成

V2までは第1ダクトのみ斜め加工を行っておりましたが、V3より第2ダクトにも2度のテーパー加工を行っております。これにより、箱の内部補強、内部定在波防止、高域の乱反射による漏れ防止、ダクトの癖を防ぐという効果を狙っています。なお斜め板はスリットを入れておりますので、接着は容易に行うことができます。

4. 場所により3種の異なる厚みのエンクロージャー

エンクロージャーは場所により厚みの異なるMDFを採用しています。強度を保ちながら内部の共振を分散させ、内容積の最大化をめざしました。最も共振が激しいユニット部分はサブバフル採用により合計約20mmの厚みがあります。天板・地板には15mm厚のMDFを採用、それ以外の場所には12mmを採用しました。

5. 専用サブバフルを付属

ユニットの共振対策でありながら、バフルからの音の反射を低減する擬似的な点音源効果も期待できるオリジナルサブバフルを標準搭載しています。なお、サブバフルはデザイン的な観点から外してご利用いただくことも可能です。

6. 低域調整用の木材を4枚付属

低域調整上最も効果の大きい第2ダクト調整が行える木材を4本付属します。ローエンドを伸ばし、ミッドバスを落とす調整を2段階行うことができます。

7. オールインワンキット

高精度カット済み合板に、空気室吸音材、バナナプラグ対応ターミナル、ビス、内部スピーカーケーブル等を全てセットしたオールインワンキットです。ビスの下穴加工等もしてありますので半日あれば組み立て&音出しも可能です。

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ご購入の際に追加オプションを選択できます。

特典

01

メールでの直接相談にお応えします。

代表の安逹へ直接メールによる相談をすることができます。スピーカーの制作、塗装、音出し、セッティング等で迷われたことがありましたらメールでご質問ください。2営業日以内のご返信を心がけています。(購入時メールサポート”希望する”をチェックしてください)

02

サポートメルマガをご購読いただけます。

音工房Zの商品を購入したいただいたお客様だけが受け取ることができる”サポートメルマガ”を定期的に受け取ることができます。 サポートメルマガでは新商品の割引案内や、通常メルマガには書けないコンテンツを配信予定です。

Zユーザー様は過去配信のサポートメールの重要な部分をまとめた「購入者様専用サポートページ」にアクセスできます。

03

動画セミナーの閲覧

ハイエンドスピーカー並の仕上がりを実現する為の動画教材「木工塗装の動画セミナーZ200・Z201・Z202・突板貼り動画セミナー」をストリーミングで閲覧できます。過去に24800円で販売していた商品です。 付属の取り扱い説明書からユーザー登録をしていただきますとメールアドレスに閲覧のURLが届きます。

FAQ

Q

Z601-Modena(V3)の購入をおすすめできる人は?

A

・小型でも“しっかり音楽を楽しめるスピーカー”を探している方
・長時間聴いても疲れない、自然な音を重視する方
・フルレンジの一体感や音のつながりの良さが好きな方
・ボーカルやアコースティック楽器の質感を大切にしたい方
・Z601-Modena(V1・V2)の進化版を求めている方

Q

Z601-Modena(V3)の購入をおすすめではない人は?

A

・広い空間で大型スピーカーの代わりとして使いたい方
・映画用途などでサブウーファー的な低域の量感を期待する方
・一聴して分かりやすい“ドンシャリ系の音”が好みの方
・フルレンジ特有の音よりマルチウェイの分離感を好む方

Q

音工房Zの過去の8センチエンクロージャーにZ-Modena(mk3)をいれることが可能ですか?

A

ユニットの穴のスパンは76mmでZ-Modenaシリーズと共通ですので入れ替えは可能です。Z601-Modena(V1)(V2)やZ600-Cannonball100シリーズに入れて使うこともできます。

Q

送料はいくらかかりますか?

A

最も安いエリアで1,500円です。送料は配送エリアにより異なりますので、詳しくはカート画面を進めてご確認下さい。

Q

返品は可能ですか?

A

輸送中の事故、精度不良などは当方で対応させていただきます。
以下のものは返品・交換・返金の対象になりません。

★板のそり、木口の色合いの違い、突き板の継ぎ目などがあること
★主観的な音に関わること

仕様

Z601-Modena(V3)

SPユニット Z-Modena(MK3)
能率 88dB/W/1M
最大入力 12W
インピーダンス
完成寸法 幅約164mm×高さ約297mm×奥行き約220mm(木材部分のみ)
重さ 片ch 約3.2Kg (重量は木材の性質上多少前後します)
ターミナル 丸形(バナナプラグ対応)
内部配線 SNZ1.0
エンクロージャー材 MDF(サブバフル込みバフル20mm・天地板15mm/それ以外12mm)
組み立て 自作キットのため、お客様による組み立てをお願いします。
付属品 専用サブバフル、丸形ターミナル、ネジ、パッキン、ケーブル、金メッキファストン、吸音材、低域調整用桟

Z-Modena(MK3)

能率 88dB/W/1M
最大入力 12W
インピーダンス
周波数特性 75~20000Hz
重量 700g/1個
付属品 ビス、パッキン

オプション

制作用木工クランプ

価格
+3980円(税込)
対象商品

スピーカー製作に必要な木工用のクランプを同時購入の格安価格にてご提供いたします。自作式クランプZ203について詳しくはこちらを御覧ください。

スーパツィーターキット

価格
+8800円(税込)
対象商品

Z601-Modena(V3)専用のコンデンサー付きのスーパツィーターキットを割安価格にてご提供いたします。

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Z-Modena(MK3)

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24,800円(税込)
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